手紙セレクション / Selected Letters / 1833年2月21-28日[推定](29歳)

凡例:緑字は訳注  薄紫字は音源に関する注

パリ発、2月22〜28日[推定〜書簡全集2巻p.81 n.1による]、
ベルリオーズ医師宛

お父さん、

先月、僕のドイツ滞在中の給費の最初の6か月分の合計、1500フランの証書が役所から送られてきました。その払出しを受けようと支出官署に行きましたが、750フランしか受け取れませんでした。議会がまだ予算の議決を終えていないためです。後半の3か月分は、4月に払い出されるとのことでした。最近、大臣から、遅滞なくドイツに赴くよう督促する手紙が来ました。フランスの領事が署名したフランクフルト滞在の証明書があれば、受給の委任状を渡した友人の手を借り、すべての給費をパリで払い出してもらうことは容易です。ドイツ滞在の証明書を携えた代理人を介することなく、僕自らが4月にパリで姿を見せれば、多分それで必要な旅行をしていないことが露見して、僕の受給権は失われるでしょう。スミッソン嬢と結婚しないうちは、彼女を失わないことが確かでないうちは、僕は彼女の許を離れません[ドイツに行くことはない、の意]。つまり、僕は給費の受給権を失うだろうということです。

2か月後かそれより前に、彼女がロンドンに向け発つことを余儀なくされる可能性もあります。僕は彼女について行かざるを得ないでしょう。ですが、もしそのお金がなかったら、僕が彼女のお金を受け取ると思われますか?・・・僕は彼女の許を離れません。生きて彼女と別れるつもりは絶対にないのです。仮に給費を失って彼女について行くことができなくなるか、あるいは給費を失わないまでも僕が(結婚しないうちに)彼女について行くことを許すことを彼女に拒まれた場合、僕は自分の頭を撃ち抜くつもりです。

スミッソン嬢との結婚に同意してくださるか否かをお尋ねするのは、これが最後です。

H .ベルリオーズ(了)[書簡全集322]

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