手紙セレクション / Selected Letters / 1833年7月22日

凡例:緑字は訳注  薄紫字は音源に関する注

ラ・コート・サンタンドレ発、1831年7月22日[発出地、日付は『家族の手紙』 t.2, p.120による]
ベルリオーズ医師からルイ・ペネ宛

(抄訳)

[略]息子の欲求は差し迫ったもので、本人はそれをいかなる代価を払っても満たすつもりです。このような気質が、一つの大いなる知的卓越性の刻印なのかどうかは、私の知るところではありません。信じて疑わないのは、この言うところの天才の、抗い難い衝動なるものは、それを抑える術を知らない者にとっては不幸の元であり、その者の家族にとっては尽きせぬ苦労の種だということです。・・・息子が貴方に5千フラン、6千フランに及ぶ額[の借財]の世話をすることを求めているのですね。なるほど、そうでしょうとも!( eh certes ! )貴方に対し、いささかなりともその返済の保証をしたり、担保を差し出したりとなると、本当に困ってしまいます。・・・私は、彼に貸し出されるお金をいささかたりとも払うことはできず、払いたくなく、払うつもりもありません。私の返書の厳しさが、貴方の目に適切なものと映ることを期待しています。

敬具(了)[家族の手紙325]

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