凡例:緑字は訳注 薄紫字は音源に関する注
パリ発、1833年4月20日、
エドゥアール・ロシェ宛
少なくとも君は、2回目のソマシオンがいつ実行されるかを知らせてくれることは断れまい。君がそうしてくれることを、僕は今なお( encore )かなり当てにしている。君の振る舞いは何とも奇妙だが、非難するつもりはいささかもない。
この木曜、僕はもう少しでラ・コートに向け出発するところだった。郵便馬車の席を取り、料金も払ってあったのだ。そこへ、シミアンが残る2回のソマシオンを行うことに同意したことを知らせる義弟[ナンシーの夫、パル判事のこと]の手紙が届いた。
君は、君一人で他の大勢の人たちの何倍もの損失を、僕に与えている。
怒り狂った僕(実際そういう状態だった)がラ・コートに姿を現していたら、どれほど結構な騒ぎになったか、想像してみてくれたまえ。僕は、馬車の料金の半額、50フランを失う羽目にも陥った。だが、今度また期待が裏切られたら自分がどんな極端な行動に出てしまうかは、見当もつかない。
だからお願いだ、2度目のソマシオンが実行され次第、僕に知らせてくれたまえ。
色々なことがあったが、それでも君の友、
H.ベルリオーズ
4月20日月曜(了)[書簡全集335]